広島・長崎 ポスター展
2012年 08月 17日
ポスター展に先立って、広島大学の先生による講演会が行われ、講演会に来られた方を含めて、たくさんの方がポスターの前で足をとめてくださいました。学校の先生に引率されてきたらしい高校生年代の生徒達も訪れてくれました。
火傷を負った被爆者の写真に「ケロイド」と説明書きがしてあるのですが、何のことかわからないようなので、熱で溶けたガラス瓶の写真を示しながら説明したところ、人間の身体にどれほどの影響があったのかを恐ろしく感じてくれたようでした。
被爆者の証言や、投下後間もない町の様子を収録したDVDは目を覆いたくなる場面もたくさんあったのですが、生徒達を含め、みなさん食い入るように見ておられました。核保有国に囲まれたネパール。核兵器の威力を耳にすることはあっても、核による被害について知る機会はあまりないのかもしれません。配属先の学校の生徒達にも、少しでも話す機会がつくれないものかと考えているところです。
ネパールの人たちがこれほど一生懸命に見てくれたポスター展なのですが・・・ 子どもが写ったポスターの前で「ここに写っているのは私です」と一緒に訪れたネパールの方に説明する日本人。ネパールの方はすっかり信じて「幼い自分と対面した記念写真を撮りましょう」と興奮した様子で、微塵の疑いも感じていません。
ふざけすぎなのでは・・・と「本当のことですか?」と声をかけると、「あなた、戦争が終わったのがいつか知ってるんですか? この子が生きてたら、もう何歳ですか。私なわけないじゃないですか。考えてみなさいよ。」とせせら笑いながらの返事。戦後生まれではあるでしょうが、もう還暦も近いと思えるほどの年代の方です。このような場で、こんな発言をする日本人がいることに、ショックを感じる以上に怒りを感じてしまいました。「戦争・原爆」のことを風化させないためには、世界にもですが、まずは日本で伝え続ける必要があるのだと考えさせられた出来事でした。